2016年5月30日月曜日

デザインって何だ?を解決する本「ビジネスの成功はデザインだ」

【本の感想】
主にデザイン関連の本の感想を書こうと思います。


「ビジネスの成功はデザインだ」本の感想

「ビジネスの成功はデザインだ」 

  • 神田昌典&湯山玲子
  • 発行所:株式会社マガジンハウス
  • 2010年7月8日第1刷発行
評価 4 ★★★★☆


この本は2009年の講演を元に修正加筆したものなので、たとえ話が(mixi、ワタミが介護分野に乗り出して…等)若干古いネタがあった。
6〜7年しか経っていないのに時代が変わるのは早いんだなと実感した。

デザイナーじゃない側からの話が神田昌典さん。デザイナー目線が湯山玲子さん。
ためになったのは、デザイナーじゃない神田さんの方だ。
クライアントの気持ちの部分を言ってくれて、自分では気がつきにくいデザインの価値などを言葉にしてくれた感じ。

どういう人がデザインを買うのか?
デザインを取り入れる事によって変化は?
など、説明してくれた。

デザインは多くの人にとって理解が及ばない、よくわからないものであると思われていると、ある程度実感していたけれど、
じゃあどうやってその良さをわかってもらえるだろう?とアプローチ方法に悩んでいた。
神田さん自身も、ファッション誌のモデルがポーズしている広告の意味が最初わからなかったと言っている。「美は恐れられる」という表現をしていた。

この本を読んで確信した事は、
デザインの良さを無理矢理わかってもらうのは間違いで、
見た目など形を整える段階に来た会社や人が求めるもの=デザインなんだという事。
事業開始の初期段階やキャッシュフローがうまく行っていない状態では、求めてはいけないと書かれている。

野生の勘?デザイナーの勘?みたいなものが私にあって、
以前、「デザインを提供するにはあの人はまだ若すぎる」と思った事があった。
あれは一体どういうことだか自分でも説明がつけられなかったのだが、神田さんがわかりやすく言葉にしてくれたと思う。

さらに興味深い事を言っていた。
「デザインによって生まれ変わるには4年かかる」という。
意識の定着には4年かかるということだ。
ユニクロを例に出していたけれど、そういう期間をクライアント側とデザイナー側がわかっているのって重要だと思う。
なんせ、効果がすぐに出ないと不安になるのが人情ってもの。

具体的な例と数字があって、なぜ?を解決するのにこの本はとてもよかった。
デザイナーも意識が変わる本でした。