2016年2月24日水曜日

格式高き古代文字「Trajan(トラジャン)」

何気なく使っているフォントの歴史を探る。

【文字の話】Trajan(トラジャン)



現代の欧文タイポグラフィの元となったと言われている書体、ローマの「トラヤヌス帝の碑文」。
西暦112年、今から約2000年前、石に刻まれた文字である。
この文字は数多くの数学者やタイポグラファー、カリグラファーが研究したと言う。

1989年、Adobe書体デザイナーのキャロル・トンブリーが「トラヤヌス帝の碑文」をデジタル環境で使えるように「トラジャン」を作成した。

小文字は存在しないスモールキャップ書体である。

もともと大文字と小文字は別々の時代に作られ、異なった生成過程を経てルネサンス時代に一つになった歴史の背景もあって、古代のローマの「トラヤヌス帝の碑文」をもとにした「トラジャン」には小文字が作られなかったと言う。

「タイタニック」など映画タイトルなどで現代でも目にする機会は多い。


このエントリーをはてなブックマークに追加