2016年10月11日火曜日

カリグラフィの気品を感じさせる書体「Platino(パラティノ)」

普段何気なく使っている文字の歴史を探る

【文字の話7】Platino(パラティノ)



活字・写植・デジタルの三世代で使われてきた定番書体。


ヘルマン・ツァップ氏が1950年に発表した。
名称は16世紀イタリアの書家ジャンバッティスタ・パラティーノに由来する。

平ペンで書く時のカリグラフィ的な特徴、
抑揚を強く残しており、伝統を感じさせる。

発売から半世紀以上たった今でも書籍や雑誌の本文、見出しに使われ、
高級化粧品の広告にも使われている。

バリエーションにLightがあり細身のローマン体があるのも珍しいと言われている。



Mac と Windows 両方に搭載されている


PostScript の登場当初からよくプリンタにインストールされていたため、
DTP においてよく普及し、Mac OS では Palatino として、
Windows では 、Palatino Linotype としてOSにバンドルされている。

Palatino の違法コピー「 Book Antiqua」


Palatinoと非常によく似た「Book Antiqua」は、
マイクロソフトが名前を変えてMicrosoft Office と Windows 98 に搭載、
またタイポグラフィのコンファレンスなどで無償配布したことで、
デザイナーのフォーラムなどで世論の反感を買った。

生みの親のツァップ氏も抗議の記事を発表している。


風当たりが強くなったマイクロソフトが
ライノタイプ社に正式に Palatino のライセンスを申し出、
後々、Windows 2000 以降のMicrosoft OSに
搭載されたのが Palatino Linotypeだった。


しかし、なくなると思いきや…Book Antiquaは、
現在もWindowsやOfficeに搭載されている模様だ。

調べてみての感想


活字の時代からある書体だったとは!
マイクロソフトとの因縁があったというのは、
調べて見ないと知らなかったことでした。
知った事で文字に対して敬意が生まれますね。

Macに Palatino Linotypeも搭載されていて、
どう違うのだろう??とも思ってました。
winとの互換性がある方のフォントということですね〜。



参考

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