おもて面 |
能の舞台のチラシをデザインしました。
「内藤泰二 二十七回忌追善能楽 第一回 飛座」公演です。
能楽者の内藤飛能さんより依頼をいただきました。
お祖父さんの内藤泰二さんの追善能だそうです。
今回は「追善能なのでシンプルなデザインで。だけど暗くなりすぎず。」との依頼でした。
「飛座」の文字は内藤飛能さんの字です。
デザインのイメージは月と雲です。
いつもはストーリーに合わせたイメージにしますが、今回は「追善能」がメインワード。
2017年は、10月5日が中秋の名月で、公演が10月9日と近く、”月の綺麗な時期”と思い月をモチーフにして季節感を出してみました。
元花屋だったので、以前に中秋の名月フェアをやっていた経験が役に立ちました。
後で調べたら月は秋の季語だそうです。
雲は、飛雲文様という着物に使われる吉祥文様です。
内藤さんの事務局の名前が「飛雲会」ということもあってピッタリ!と思い使いました。
黒か紺色かで迷って、結局は黒にしました。
決めては、やっぱり追善という言葉と墨の文字との調和ですね。
書をメインビジュアルにしたことで「散らし書き」という書の手法があるのを知りました。
行を整えずに言葉のリズムを書くそうで、かな文字がある日本独自の文化だそうですね。
漢字、ひらがな、カタカナが混じる日本語は、デザインする時に厄介だなぁと思うこともあるけれど、「散らし書き」ような独特な文化を育んで面白いと思います。
今回のデザインには全面的に使っていないですが、下部の特別企画展の文字列は少し意識してます。
背景に紙の写真を使ってます。
使う予定だった金色の紙も手前に写ってます。
スキャナーで読み取ると金色ではなくオレンジっぽい茶色になってしまい使うのを諦めました。
とても素敵な色だったので、使いたかったのですが残念。
真ん中の紙が背景に使った紙です。
背景の紙の拡大 |
表面に太い繊維のようなものが入って、和紙風で素敵な紙です。
チラシの「飛座」の文字は、ここに文字を書いたらデコボコしてさすがに書きづらいので、文字は別のデータで私が組み合わせました。
以前どこかで買い、ずっと眠っていた紙の素材が役に立ちました。
一番奥の紙がチラシの下部分に使われている紙です。
こちらもザラリとした質感があり、和菓子の包みに使われてそうな紙です。
うら面 |
裏面は上半分が番組になってます。
初めて能の番組というものを作りました。
能のタイトルの周りに名前の位置を上下変えて、主役と脇役たちを分けるやり方が面白いなぁと思いました。
グラデーションで番組との区切りを付けてます。
席の図面、地図は印刷物でもらい、スキャンしてそれを元にIllustratorでパス化しました。
地図作りって文字のサイズとか入れ方とか難しく、
もっと簡潔にカッコよく地図のデザインがうまくなりたいです。
作っている時は楽しいのだけど、悩む時間も多くてあっと言う間に時間が過ぎていきます。
チラシご希望の方は送ります。
kakinoniwa.d@gmail.comまでご連絡ください〜。
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第一回飛座情報
- 公演日:2017年10月9日(月・祝日)
- 時間:12時半〜
- 場所:名古屋能楽堂
- チケットぴあ:0570-02-9999(pコード480-148)
- HP: http://www.la-chevauchee.co.jp/noh-top.html