【文字の話6】
幾何学的と思いきや人間臭いフォント
「Gill Sans(ギル・サン)」
「Gill Sans(ギル・サン)」
究極の可読性を目指した彫刻家エリック・ギル
イギリスの彫刻家のエリック・ギル (Eric Gill) が
1927〜30年にかけて制作したサンセリフ体の欧文書体。
Gill Sans は、ギルがある店のために描いた
堂々とした大文字の看板がベースになったと
言われている。
着想は、かつてエリック・ギルが師事していた
エドワード・ジョンストンの
ロンドン地下鉄のためにつくったJohnstonから得ている。
究極の可読性を持つサンセリフの制作を試み、
見出し・本文ともに適するように作られている。
Futuraと似てる?
よく幾何学的な部分で比較され、
Gill Sans(ギル・サン)の方が「人間臭い」と表現される。
なぜかというと、その造形が
トラヤヌス帝の記念碑(Trajanトラジャンについてのブログ記事)など
伝統的なローマン体に由来し、
筆記体の部分を残しているからである。
特徴的なのは「a」「g」
Mac OS X や Microsoft Officeなどで配布されている。
代表的な使用例
Gill Sansが使われている。
ペンギンブックスは、
ヤン・チヒョルトによるデザイン改革(1948年)で
出版社名をボドニ・ウルトラ・ボールド書体から
Gill Sansに変更した。
Penguin By Design: A Cover Story 1935 To 2005 引用:Amazon |
参考サイト
- ウィキペディア
- タイプディレクターの眼・小林章
- 「ペンギンブックスのデザイン 1935-2005」
出版元ブルースインターアクションズ
※この記事は2016年10月11日/加筆・修正しました
------------------------------------------------------------------------
過去の文字の話一覧
- 【文字の話1】Trajan(トラジャン)
- 【文字の話2】Futura(フツーラ)
- 【文字の話3】Helvetica(ヘルヴェチカ)
- 【文字の話4】OCR-A(オーシーアールエー)
- 【文字の話5】Arial(アリアル)