こんにちは、日々湿気と戦っている柿の庭デザインの石田栄です。
能楽チラシデザインのご依頼がありました。
宝生流の内藤飛能(ないとうとびよし)さん主宰の第2回飛座公演のチラシです。
(前回チラシ記事・道成寺チラシ記事・石橋チラシ記事)
今回のデザイン
おもて | うら |
能楽の演目について、あまり詳しくないため毎回内容を調べます。
今回は「八島」という演目で、登場人物は源義経です。
学生の頃は、歴史より現代社会の科目の方が好きでしたので、お恥ずかしい話、歴史の基礎がポンと抜けている自身の教養がありまして、学生時代の怠けをいちいち補わなければなりません。
夫と義両親は、歴史大好きでめちゃめちゃ詳しいので、そういう面でも今つらい。
みなもとのよしつね?(´・ω・`)状態から、
あ、牛若丸か!
あ、弁慶の!
と徐々に知識の穴埋めをしていきます。
そして能の演目での源義経という人物の描き方、演目の内容と見どころを調べます。
その後、ようやくビジュアルを決めます。
キーワードは、
- 義経の能面
- 勝ち戦、勝ち修羅
- 源平戦の海
- 一夜の幻と明け方の風景
- 命を賭して名誉のために戦う
- 義経の栄光とサッドエンディング
エスキース |
決めたエスキースを元に面のイラストを作成します。
送ってもらった能面の写真を元に、役者さんがつけている様子を想像で付け足して描きました。もうほぼデッサンです。元絵 |
波の部分に「惜しむは名のため、惜しまぬは一命」という言葉を入れました。
命より名誉のために戦うという意味で、戦う男っぽさを感じる言葉です。どこかに使いたくてキャッチコピーのようにいれようかと思ったのですが、ビジュアルの中に溶け込む儚い感じにしました。
全体のカラーは、日本画によく見られる青緑色、下にいくにつれて桃色になるグラデーションです。
当初は暗い夜の色にぼんやりと…と思ったのですが、まだ月がうっすらと見えるような夜明けの空をイメージしました。
もう一つの能の演目、「西王母」は紙面3分の1に。
西王母の桃のイラストや雲を入れて上下が繋がるようにしました。
「こうしたい!」がたくさんあって、実は自分でもまとめるのにちょっと苦労しました。
西王母の写真以外は私が描いているのですが、面と着物と波と桃のテイストが合わなくて、でもPCで描くと無機質すぎて魅力がでなくて…手で書き直ししたりで試行錯誤が多くありました。
最終的にぱっと見のわかりやすさは出たと思ってます。
余談ですが、調べるために駅近くのそこそこ大きめな本屋に行ったら一冊も能関係の本がなく、愕然としました。
近くの百貨店の本屋には本が置いてあったので助かったのですが、伝統芸能に若い世代に興味を持ってもらうこと重要だなと思いました。私を含め、です。
-----------------------------
公演情報
第2回飛座公演
2019年10月12日(土)14時〜
宝生能楽堂
半能「西王母」
狂言「蝸牛」
能「八島」
入場料(全自由席)
大人 5,000 円 (当日6,000円) 高校生以下 2,000円 (当日2,500円)
◆チケット購入のご案内
- チケットぴあ Pコード 786818
- 名古屋能楽堂 052-231-0088
- 申し込みフォームリンク→https://forms.gle/JqpkeKv28kkW6BK18